まるでキャッチボールさながらに床の上を次々転がるペンを、もはや私は諦めの目で見ているしかなかった。

同じように、すれ違うごとに肩を押されたり、無視されたりして、放課後にはへとへとになったいた。

それに気づいたこよりも戸惑った風情だったから、全員に厳戒令が出されているわけではあるまいが、蝶を孤立させようとする生徒は過半数は超えていた。

想像はしていたはずなのに、いざやられてみると精神的にきつかった。

クラスでも権力のあるグループに所属しているらしい高月だが、本人はそんなことを考えてもいなさそうなので言っても無駄だと諦める。返って厄介な方向になるのは間違いない。

残るは由里だが、隣のクラスなので論外だ。

(……四面楚歌だな)
あまりといえばあまりな仕打ちに、1日のものとは思えない疲れに襲われる。

「どうした、蝶」
「…どうしたもこうしたもないよ」