興味がない方が、喜ばしい。

好奇心で関わられるのが、一番迷惑だ。

そう思うのに、頭の中の声がその思考を掻き乱す。

(それで、いいのかな)

不登校になる前となんら変わらないのではないか。

その声を押し込め、席につく。
緊張で固まっていた私を、前の男子が振り返る。

途端に息を詰めた私は、その顔を見て息を深々と吐き出した。

「高月か…」
「よ。来てくれたんだな」
「うん」
素直に頷いた私に、高月が眉を上げる。

面白そうに笑みを浮かべると、「まあ、頑張れよ」と言って前に向き直る。

その姿にがっかりして、普段憎まれ口を叩くくせに、本当は頼りにしていたことに気付かされて少し落ち込んだ。

(自分の力でやらなくちゃ、意味が無いんだ)