「なんだ。また君か」

氷の柱から聞こえてくる声に僕は答える。
「悪いか」
「何、悪いとはいってないじゃろう」
「残念そうじゃあないか。頭まで垂らして」

声の主は氷の柱の中からじっと僕を見つめていた。
「なんだ、また出られないのか?」
「なあに出れるさ。ただ少しばかり腰が痛くてな」
「出られないんじゃあないか。全く、情けない守護神様だよ」

僕はその場にあった木の枝を思いっ切り投げた。

ドン。

あたりに爆発音が響き渡る。

「…おいおい、言ったろう。君の力は少しばかり一般人とはワケが違うんじゃ。本気でなげないでくれよ」

そういいながらも、氷の柱から解放された声の主は地面におりたつ。