それもそのはずだろう。
彼の、真正面からのあの笑顔は
誰もが心を撃たれるであろう美しさだった。

そして、この私、山川紗羅(やまかわさら)は、
叫ぶ、というか、声すら、言葉すら出ないくらい
心を奪われてしまった。