男の子が弾かれる。あと数百メートルのところで。


すると


「権左衛門ー!はやくこっちにいらっしゃい!」


母親の声が聞こえる。


でもその時にはもう100mもない距離だった。


だめだ。運転手も小さすぎて見えてないんだ。


「…この距離なら…」


「え?」


私は咄嗟に道路に向かって走った。


「由衣?!?!」



バンッ!!!!



激しい突撃音が聞こえたのは男の子を突き飛ばしたあと。


私にはやった。という喜びと痛いという激痛しか感じなかった。