先生、僕を誘拐してください。


文句を言う蒼人を適当にあしらいつつ、教室に向かう。
けれど、教室は地獄だった。






「就職先かあ」

まさか朝のホームルームでいきなる三者面談について話してくるとは思わなかった。
敦美先生も真っ赤なジャージ着る前に、もう少し生徒の気持ちを汲んでほしいよ。
朝重たい話をされて、放課後までどうやって乗り切ればいいんだよ。


「あんた、どこに就職したいとかっってあるの?」

紅茶のパックにストローを突きさしながら、真由が二段弁当を私の机の上で広げた。
私も自分で作った、真由に比べたら質素なお弁当箱を広げながらため息しか出ない。

「普通に、どこにでもいるOLでいい」

「OLだあ!? なんかパソコン関係の資格あったっけ」

「資格なら二年の時に取れるだけ取ったよ」
バイトが許せる範囲で、高卒でも就職できるように。


「じゃあ一番収入いいとこにしたら?」