蒼人が奏の元へ駆け寄ってくると、急に私から距離を取る。
蒼人は気付いていなさそうだったケド、隣で距離を取られた私には嫌な感じだ。
「蒼と奏、あんたらテスト前だけど部活入って大丈夫なの」
「今日からテスト前だから部活ないらしいよ。それに今日から俺と奏で勉強会するもんな」
蒼人が奏の首に手を回して引き寄せて、顔を覗く。
すると奏は迷惑そうにやんわり蒼人の顔を押して距離を取る。
「あんたらが勉強会ねえ、ゲームばっかだろうけど」
「うっせーな。姉ちゃんはテスト前なのにバイトあるのかよ」
「ええ。優秀な私にはテストなんて関係ないのよ」
嘘だ。
バイト先にはテスト期間は短く伝えてある。
それで試験前もバイトを入れるようにできた。
就職する身で、テスト勉強はもう必要ないのは分かってるから、その分バイトでお金を溜めたかった。



