私はソレを見て爆笑してテーブルをドンドン叩いた。

「そういえば、蒼。バスケの準備しないとね。いくらぐらいかかる?」

お母さんが財布を出して聞くと、蒼人は手を振る。

「あ、大丈夫。幽霊部員だった人たちがシューズくれたよ。でもオニギリ欲しい。部活の後まっちゃ腹減るしなあ」

蒼人の言葉に、奏も頷く。
並べられた焼きカレーを見ながら、二人はお腹を鳴らすパフォーマンスさえする。


「そう? お金なら心配しないでいいからね」
「大丈夫。それにそんな真剣に全国大会優勝とかじゃねえよ。目指せ、一勝!みたいな、可愛い目標だもんな、俺ら」

けらけら蒼人が笑うので、お母さんもつられて笑ってなあなあになった。
私は握られた手が、火傷しそうに熱かったけどそれを隠して焼きカレーを食したのだった。