「否定しないでおくね。で、生徒会の方は分からない。一年生は文化祭、だから夏休み前ぐらいに先生に指名されるはずだよ。だからまだ期末テスト前に指名はされないはずだけど――」
「あ、そう。ありがとう。じゃあ、とっとと帰ってくださいな、ストーカーさん」
違うけど手伝わされている。
それは、一言も喋らなくなった奏が、夏休み後、生徒会としてバタバタ走ってる可能性があるということ。
事前に心の準備があれば、それほど傷つかないで済む。
……そうか。私、傷ついてるのか。
奏が私の知らない場所で活躍してて、それはそれでちょっとショックなんだ。
今日見た奏は、私の知らない男の子みたいだった。
「じゃあ、バイト中にごめんね」
「うん。もう来ないでいいよ」



