「お前ら、職員室で何を話してるんだ」
「わ、敦美先生……」
半袖姿に下はジャージに着替えて、今にも部活に飛び出しそうな敦美先生が私たちを見ている。
「お前、その、調子はどうだ」
私の手元のファイルを見て、先生が複雑そうな顔をして一応心配してはくれているらしい。
「まだ決めてません。バイト有るんでもう帰ります」
「あ、おい、こら」
止められそうになったけれど、教頭が「なんですか、その言葉使い」と敦美先生に注意してくれたので逃げるように職員室を跡にした。
「じゃあ、今は体育館に奏はいるの?」
「たぶん……って先輩、今から行くんですか?」
「行こうよ。どうせ遅かれ早かれ、あいつには歌わせるし」
「先輩、バイトは?」
「バイトは16時からー」



