月曜になって、蒼人と奏は三年の朝自習の時間よりも早く学校へ行って学際の準備をしていた。
放課後は先生たちによる一斉点検のせいで昼休みはバタバタ片づけつつ、最終確認だ。
「校門の学際の看板だが、風で揺れていたぞ。釘はちゃんと刺したのかー」
敦美先生が、廊下をのっしのっし亀のように歩きながら、学際の点検に回っていた。
看板の係である蒼人たちはクラスの出し物のはずだから、ただの野次馬だった私は黙って看板を見に行った。
淡い水彩で塗られたような看板。
男の子と女の子が握手して、その向こう側に虹が渡っている。
……ちょっと不思議な感じ。
特別上手いとは言えないけど独特な感じのタッチだった。
でも確かに、左右の端が風が吹くたびに揺れている。
「おーし。危ないぞ、退け、退け」
「武田さん、少し離れて」
敦美先生と脚立を持った朝倉くんが、ゆらゆらと揺れている看板を固定しようとやってきたようだ。
「もし看板が落ちたら、そのまま坂を下ってしまったら危ないでしょ?」
「まあそうだよね」
「朝倉、脚立を支えてろ」
「はい」
敦美先生が口に何本が釘を咥えると静かになった。
金づちでトントンと叩く音だけが響いている。



