先生、僕を誘拐してください。



「今、これ運んでるから。蒼に言って」
「蒼くんは肉体労働無理って、割れてない腹筋見せてきたんだもん」
「お願い!」

二人に服を掴まれ揺さぶられ、ほかの生徒会の人たちに、2、3話しかけてから体育館のほうへ向かう。
というか、蒼は何してるんだ。

「お、蒼のおねーさん。やっほー」

「うわ、村田くん」

中庭を見ていたせいで、前から来る村田くんに全く気付かなかった。

「朝倉くんと喧嘩しちゃいました?」

あっけらかんとした顔で直球ストレートを投げてくるのは村田くんだけだ。
「喧嘩じゃないよ。ただお互い接触しちゃだめだなって思ったからそう伝えただけだよ」

「ふうん。三人が一番納得できる結果になるといいね」
「三人?」
「蒼のおねーさんと朝倉くんと、奏。あ、蒼もか」

なぜ当事者でもない奏を人数に入れるんだ。

「それより、蒼のおねーさん、バスケ部のマネージャーしません? 蒼の作るスポーツドリンク不味いんです」
薄くなったり濃くなったりと作り方が下手なのは容易に想像できた。
「いやよ。絶対汗臭いし」

「だって部員増えたんだからかわいいマネージャーほしいじゃないっすか」