「あのなあ、お前らは成績は優秀で30番以内だ。うちは100番以内は大体希望校へ合格で来てる奴らばかりで――」

「だから、俺の希望校は専門学校、面接だけのとこだよ」

「へえ。じゃあ入学金が高いんじゃない?」

「あー、高いかも。でも俺バイトしながら通ってもいいし」

「なるほどねえ」

「で、君は、武田美空さん、だよね」

私がうんうんと頷いていたら、急に頬杖ついてじっと私を見た。

「去年の学際で、ピアノ弾いてたでしょ。周りに小鳥をいっぱい携えて」

「え、あ、うん。合唱部だったの。今年も歌うと思うけど――」

三年は学際の出し物に参加できないので、今回は楽しみ係だ。

そう思っていたのに、朝倉一はニヤリと笑う。

「そう思って、就職組の個人での出し物は受理することにしたんだ。君の昨年の功績だよ」

生徒会長がそう言うのであれば、今年は参加できる、のかもしれない。

「その話は、今、俺の前でしてもいいと思っているのか」