「……はい」


どうして、私に?とか思うけど、何となくわかる。



この人はきっと、知ってるから。私と先生が付き合うことになったこと。




柊先生に連れられて来たのは、音楽室。


音楽室の中は少し暗かった。


「あの日放課後で、見たのよね?私が…その……士道先生にキスするところ」


「はい」


「あの時ね、私は士道先生に告白したの。でも、あっさりフられちゃって…まぁ、先生が私に全く興味ないのは分かってたんだけど」



「ただ伝えたかったんですか?想いを」



「そう、それ。出会ったのは私が高校生で先生が実習生の時。士道先生は毒舌だったけど、たまに見せる優しい所が好きだった。私のね…憧れだったの」