「まぁ、大したことなかったからな」


「散々楽しんだくせによく言いますね」


「……」


黙っちゃうんだ。


図星だから??


本当に、この人は可愛いな…。


「本当に…お前はよく笑うな」


「え、そうですか?」


「あぁ。俺が見る限りいつもお前はへらへら笑ってる。気持ち悪くて休んでた時もうざいくらい笑ってた」


「うーん、それは単純に先生といるのが楽しいから…」


「違うな。お前は、幼い頃からそう指導されてきた。あの時、俺はそう感じた。」


あの時か…。すごいな先生は。そんなこと分かっちゃうんだ。


「………そうですね。ずっと、笑っていろと言われてきました。親に。悲しい時も、苦しい時も、楽しい時も…無理矢理でも笑えと。いい響きのように聞こえるけど、要は空気を読めということでしたね。お前は何も出来ないのだから、人に迷惑をかけるな。何があっても弱味を見せずに、心を開かずに、笑っていろと」


「…」


先生は黙って聞いている。