日向は、どうするんだろう。


 ちょっとだけ不安になって、そっと隣にいる日向を見上げる。


 すると、日向はあたしの腕を引っ張って、自分の方に引き寄せた。


 突然の事につまづいきそうなったあたしは、日向にしがみついた。


 必然的に、あたしが抱きついているような体勢になってしまっている。


 わわ、近い!!


「彼女と来ているので、遠慮します」


 日向は、笑顔できっぱりとそう言い、あたしを連れて歩きだした。


 "彼女"、驚いたけど、あたしは日向にそう言って貰えた事が嬉しくて、自然と頬が綻ぶ。


 あの二人が見えなくなったところで、日向が立ち止まり、あたしの方に振り返った。


「ごめん、つまずいたよね、ケガしなかった?」


「全然!大丈夫だよ!……それより、彼女って…」


「ああいうのはしつこいし、そう言った方が早かったからね」


 何の躊躇いもなく言った日向。


 …やっぱり、日向は、仕方なくああ言ったんだ。


 ちょっとだけ落胆したけど、仕方ないと割りきって、開き直る。


「それじゃあ、次行こうか」


「っうん!」