「審神者って具体的にどうやって戦うんですか?」

私が尋ねると、こんのすけはぴょんっと跳ね上がり微笑んだ。

「よくぞ聞いてくださいました!!審神者とはモノに宿りし付喪神を呼び出し使役する者。貴方様には古来より伝わる刀剣の皆様を呼び出して契約し、戦いの指揮をとっていただきます!」
「付喪神!?神様ですか!?」
「はい!」

キッ、と音を立てて車が停まる。
扉を開けた先にはコンクリート製の建物があった。
たくさんの人が行き来する町中にありながら不思議と存在感を感じさせない。

「ここが、時の政府。この中でも貴方様には『他次元及び異空間サイバーテロ対策本部』へ行っていただきます」
「そんな大層な部署があるんですか。」
「はい。最近は歴史修正主義者も進化してきておりまして…。この次元だけではなく、他の次元にまで手を伸ばしつつあるのです。」
「他の次元って?」
「この世界では、マンガやアニメとして知られる世界ですね!」
「はあ…」

アニメや漫画は好きだけど、そんなことがあるのだろうか。
長い毛の絨毯を進むと、『他次元及び異空間サイバーテロ対策本部』と書かれたプラスチックプレートがかかった部屋があった。

「ここです。」

こんのすけの案内で中に入ると、優しそうなおじさんがいた。

「はじめまして、☓☓さん。『他次元及び異空間サイバーテロ対策本部』へようこそ。私はここの主任をしております、藤堂といいます。よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします……」
「突然のことで驚かれたでしょう。ですがこの政府もギリギリだということをお分かり頂きたい。歴史修正主義者の勢力が日を追うごとに拡大していっているのです。このままでは国民の皆さんの生活にも、影響を及ぼしてしまう。その前に貴方様のお力をお貸しいただきたい。」

ここまで来て、嫌ですも何もないだろう。
そもそも最初に拒否権はないと言っていたし。

「……突然、でしたからびっくりしましたが……。ぼくにできることならば。」
「ありがとうございます!」

こんなぼくでも役に立てるのなら、こんなに嬉しいことはない。
目の前で笑いながら頭を下げる藤堂さんの姿を見ながら思った。