Destiny

ｱﾀｼは早速旅行会社へ出掛けた。



今まで旅行会社なんてくることがなかったｱﾀｼは、何をどうしたらいいかわからずに、


なかに入るのに気が引けて暫くの間、外でパンフレットを眺めていた。


そこに、会社の女の人が笑顔で、ｱﾀｼのもとにやってきた。



「よかったら、なかのほうでご案内いたしますよ」



「はい…」


女の人に誘導され、ｱﾀｼはとうとう未知の世界に踏み込んでしまった。



「どうぞ、おかけください。」



「はぃ、失礼します」



なんだか、就職の面接よりも緊張していた。



「今回はどこへご旅行ですか？」



「いや、まだ何にも決めていなくて…

とりあえず10万ぐらいで行けるところを考えてるんですけど…」



「おひにちはお決まりですか？」


「いつでも…」


一瞬女の人が困った顔をした。


ここまでノープランで旅行会社にくる奴なんてｱﾀｼぐらいしかいないんだ。


ｱﾀｼは恥ずかしくて、俯き、赤くなる顔を隠した。



「それでしたらｸﾞｱﾑなんてどうでしょう？

ただ今キャンペーン中でして

飛行時間も３時間半ですし、予算も大変安くなっておりまして、

女性の一人旅にはとてもいいと思いますが」



その女性は笑顔で色々なプランを説明してくれた。



「それじゃぁそれでおねがいします。


なんせ、初海外の初一人旅なもので…すいません」



「いいえー、ありがとうございます！

それでは一番近いおひにちで空席があるかどうかお調べいたしますので少々お待ちください。」


女性は笑顔で席をたち、パソコンに向かった。



あー緊張した。