"位置についてーーーーー 揺れる陽炎にも劣らない張り上げられた 顧問の声 " パァンッッッ ピストルが鳴り響く。 その音が僕の耳に届く前に 隣のレーンの影は風をきって前へ進む はっとして僕も動きだし体を前に傾ける 風に乗って届くシャンプーの香り どんどん どんどん 着実に 加速していく 凛々しいその後ろ姿が近づいてきた。 あと少し。あと少し。