少年はおじいさんに
少女はおばあさんに

同じ季節を過ごしながら
違う身体を手に入れてく

大空渡り
宇宙まで駆けるペガサス
おまえさえ
追い越していくように

早く上の世界から
下の世界を見渡したい

無音状態の空間で
誰よりも速いときを

近くに遠くに感じたい


立派な人形の瞳は
痛いくらいに凍りつき

人の夢幻のみを狙い
朝も夜も奪いつくす

それでも生きていくつもりで
答えの見えない星を目指して

ぼくを拳で黙らせた恩師が
やわらかく微笑み
広い天に座っている気がした


もう一人で決断するから
二度と呼び起こさないよ

心配されると負けた気になるから
迷惑にならない根性を叩き込むよ

どこまでも耐えられるはずだと
己で築いた痕だから
自分が信じられる選択をして
自分で培っていく苦労を重ね

いつか
またとない幸福を
この手はつかむだろう

いつか
大らかに染まった手が
あの手をつかめるだろう