思い通りの展開を
何の障害もなく迎えたら

風吹かぬ錆びた街に
小さな雨が降った

その地は声を求めて民を喰い
砂に流され音を待つ

捨てきった欲が
また同じように獲物へ向けられる


再生を望む信念の理解者による
いながらにして消え去る支度が

おそらく今も
おこなわれているだろう

なんと複雑な道筋

物語で絡んだだけの関係に
果て先を教える余裕はない


足元にしたたる冷たい水も
明日は誰を応援するのか
決してわからず


まぬがれたい衝突を幾度も繰り返した星と

心理が心理を生む人の深さに威圧された星は

どの星よりも打たれ強くたくましい


行き先を便利に選べる街

そこで人混みに埋もれても
にぎやかな生活が送られるならば

そっちのほうがいい


小さな雨の奥に見た
音の重要さを伝えるために

画面と戦う日のふんばり


安いもので終わらない

終わらせない