甘えたような声でそう聞いてくる優生に、あたしの体温は急上昇していく。


優生の顔が近づいて来て、あたしの唇に暖かなものが押し付けられる。


触れるだけのキスなのに同棲をはじめて心が浮き足立っているのか、いつもよりもドキドキしている自分がいる。


「咲、顔真っ赤」


顔を離した優生があたしを指さしてそう言った。


「見ないで」


照れくさくて優生の胸元に顔をうずめて、自分の顔を隠した。


「無理、咲かわいすぎ」


優生はそう言うとあたしの体を抱き上げた。


お姫様抱っこをされたあたしは小さく悲鳴を上げ、落とされないように優生の首に掴まった。


優生はそのまま歩き出す。

「ちょっと、どこに行くの?」


「リビング」