空を見上げた。雲一つ無い青い空だ。
ジリジリと照りつける太陽に目眩がしそうになる。


きっちりと着こなしていたスーツのジャケットを脱ぎシャツの第一ボタンを開ける。





「あっつーー…!」


手をパタパタとうちわ代わりにしながらこちらへ寄ってくる友人へと視線を向けた。



「お疲れ様。今日は本当暑いね〜」

彼女の言葉に私は応答する。



私の名前は高岡 旭(たかおか あさひ)。
去年無事に就職活動を終え、なんとかではあるが日々仕事に励んでいる。
彼女は会社の同期で桜川 百合(さくらがわ ゆり)。




今は昼休憩に入り会社の屋上で昼食を食べる所なのだ。


「ねぇ、今日はお弁当?」


彼女が少し心配そうに尋ねる。

「そうだよ。ちゃんと作ってきました!」

「よかった〜、最近忙しそうで飲むゼリー!みたいなばっかだったから少し心配だったのよ」



「え〜〜?心配してくれてたの?ありがとう」


少し茶化す様に言うと もう、心配してんだからねっと百合が言い2人で笑いあう。




「あー!もー!まじで仕事大変すぎ!働きすぎでしょってぐらい働いてるよ〜〜〜〜」

「確かにね、本当働いてるよね〜。…でも、やっぱり楽しいかな」




私達はファッション関係の仕事をしている。将来はデザイナーを目指している。仕事が忙しいなかデザイナーとしての勉強もしなければいけないので大変だ。


デザイナーとして活躍するにはまだまだ技量が足りなく勉強する事もあるが、やっぱり好きな事は楽しい。
デザインを書いてるとワクワクする。楽しくて仕方が無いのだ。




お昼休み終わらないで〜〜仕事行きたく無いよ〜と嘆いてる百合に

「でも百合いきいきしてるよね。楽しそう」

というと、そりゃね一応この仕事就きたくて頑張ったからね と少し照れくさそうに微笑む。







「ねぇねぇ、旭」

「ん?なぁに?」

「旭ってさ、好きな人いるの?」


「…!ゲホゲホッ!!え!何…ゲホッ いきなり…!」

突然の百合の質問にご飯を詰まらせる。


「ちょっと〜大丈夫?」


百合がくれたお茶を飲みコクコクと頷いて大丈夫のサインを送る。

「どしたの…百合…」


「んーん。別に〜?旭の浮いた話聞いたこと無いからいるのかな〜って気になったの!で!どうなの!いるの!?」