「みて!百合!!
スノードームだよ!!」

「……」

「ん?百合?」

「あ、ごめん
海がスノードームでそんなにはしゃぐとは思わなくて…」

「…はしゃいでなんかないよ」

「目輝かせながら
みて!スノードーム!!
って言ってましたーー」

「…百合に似合うスノードームだなって思っただけなのに…」

「え!?うそ!好き!
海、大好き!!」

「……ちょろ」

「聞こえてますよ!!」

「もーいいから早く選んで
何のためにここの雑貨店にきたの」

「んーーだってぇ
このお店可愛いのいっぱいありすぎて、うちが欲しくなるんだもん」

「そんなの知らないもん」

「あ!こら!
もんを真似しないで!!」

「いいじゃん。いっそスノードームで」

「んー確かに
このスノードーム普通のと違って、小さいお花が入って可愛いーー!!」

「しかも、結婚式がメインのスノードームで丁度いいじゃん」

「だねー。
…百合の花びらが入ってるスノードームでもあげようかな」

「……」

「当てつけだー!このやろ!」

「……」

「…なんて…冗談だあよ」

「いんじゃない。そんぐらいしても」

「ふふ…性格悪いね」

「女は性格悪く、ずる賢くだよ」

「なにそれ…ふふ
でも残念だなー。
やっぱ百合の花びらのスノードームなんかないねー」

「…それができちゃうんだなー」

「……え」