「あのぉ、前にここにあった

 リンゴの置物ってもぅ売れちゃい

 ましたか?」


諦め切れなかった私は店員を

捕まえて聞いてみた。


「あ~~あれですか・・

 すみません、もぅ売れてしまって」

と申し訳なさそうな顔で答えてくれた。


「あ・・そうですか」


肩を落として帰ることにした。


今日はとても幸せいっぱいの

1日だったのに最後には

やっぱりへこんでしまう私。


『いたって普通の私がいくらがんばっても

 結局、最後には幸運なんてない』

そんな気持ちになりながら家まで帰った。


ないとわかればなお欲しいと

思ってしまうのは人間の習性なのかな・・


恋もそうだと・・・

すぐに手に入る恋はきっとすぐに

飽きてしまう。


山あり谷ありの恋のほうが

人は燃えるのかもしれない。