「あれ?林檎、なんか雰囲気変わった!」

「超、かわいい」


なんて褒められてうれしかった。

私は少し大人になったような

そんな感覚に、なっていた。


いたって普通の私が少し、変わったような

そんな気分だった。


『全部、圭さんのおかげ!』


そのことがうれしかった。


この日は、1日中幸せいっぱいで

帰りにあの雑貨屋さんへ行こうと考えた。


『もしかして圭さんに会えたりしてぇ』

なんて少しの期待もあったのだが。


今日の目的は、あのガラスの

林檎を買うこと。


なんだか生まれ変わったような

今日に、あの林檎を記念に買いたかった。


彼との出会いと自分の変化の

記念にあのガラスの林檎。


ウキウキしながらお店まで

自転車で来た。


前に見たときにはそこにあったはずの

林檎はどこにもなかった。