「俺、お前が木下から二階堂に

 なるまで、この車乗り続けるから」

「え?」

「あのころの新鮮な気持ちを忘れないためにも

 この車に乗り続ける」

「そこじゃなくて?二階堂になれるの?私」

「当たり前!!!約束な!」

「うん」


うれしかった。

プロポーズではないけれど、そんな大きな事では

ないけれど、それは将来への約束。

圭さんとの初めての約束。



空港について2人で少し話した。


とても他愛のないこと。


でも、それだけで充分な私達。


素敵な約束をくれたおかげで今、慌てて

なにかを話す必要なんてなかった。


空港のひと気のない所でこっそりキスをした。


そして私達は、別れた。


「いってきます」

「必ず、俺の元へかえっておいで」

「はい!!」