俺はその時、どんな顔をしてた?


うれしさと愛しさと歯がゆさで
俺はかけ出したい気分だった。

実際には3年も寝てたら人間、歩けない。

でも、ほんとに彼女の元へ
走り出したいんだ。


その時、病室の扉がゆっくりと開き、
カーテン越しに人が入ってきたことが
わかる。
その背丈やシルエットで
彼女なのがわかった。

なんか鼻唄でも歌ってるのか?
小さく声が聞こえた。


胸の奥がギュってなるのがわかる。


ロビンと澪はしゃがみこんで
どうやら隠れてる様子。

2人は笑ってる、声を殺して。


カーテンが勢いよく開けられて
そこには林檎ちゃんが。

俺は正直、なんて声をかけていいのか
わからずただ、見つめていた。