私はやっぱり次の日も
圭さんの病室を訪れていた。

だれもいない2人だけの病室。

「ねぇ、圭さん。」

私はきっと彼の意識のあるときよりも
今のほうが、近くの存在として
彼を見ている。

彼の手にそっと触れてみた。
その手は温かくて・・・・
それは彼が今も生きてるって証拠。

手をぎゅっと握り締めた。

「ねぇ、圭さん。」

「私、どうしたらいい?

 もぅあなたの側にいることはできないの?

 ねぇ、圭さん。

 あなたをまだ、こんなに好きなんです。

 ねぇ、圭さん。

 私はあなたに会いたいよ。

 こんなに側にいても、どうして
 
 こんなに遠いの?

 ねぇ、圭さん・・・」

私は彼に話ながら途中から泣き出していた。