もぅ夜明けを迎えようとしていた。

病院の長い椅子に座って
私はもぅ叫ぶことはなかった。

お母さんと私、ロビンさんに澪さん、
そして圭さんのお兄さん。

だれも声を発することはなく
無言のまま、手術中の赤いランプを
見つめていた。

彼のお父さんは海外にいるらしい。

お母さんは、ずっと前に亡くなったそうだ。

私は、叫びはしなかったが涙は
いくらでも出てきた。

疲れてゆく体とは反対に、意識は
どんどん冴えていった。

そして、彼がどうして刺されたのかを
考えていた。

それはきっと、私のせいだと。

私があの時、彼の服の裾をつかまなければ・・・

違う・・・・・
きっとモデルなんてしなければ
彼を好きにならなければ・・・

そうすれば、今もあなたは幸せに
暮らしていたんだよね。

『ごめんなさい、私があなたを好きに
 なったせいで・・・

 本当にごめんなさい・・・』