そこまで言ってもらってやっと口を
開いたのはお母さん。

「そうなんです、毎日夜中まで
 あ~やって立ってるんです。

 警察にも相談したんですが・・・」

「そうですか・・僕の方からも
 相談に行ってみます。
 もしだめなら、警備つけますんで
 安心してください。」
彼は力強くそう言った。

バカな私はそれだけで恐いものなんて
なくなっちゃうぐらい落ち着いた。

そして彼は早速、警察に行くと
言って帰ると言い出した。

久々に見た彼は少し疲れているようだった。

私はこのまま、また会えないのが
嫌だから思わず、引き止めていた。

ガシッ

気付いた時には、彼の服の裾をつかんでいた。

驚いた顔で振り向いた彼。
見る見る真っ赤になる私。

そんな姿を見て、

「あんた、圭さんに色々と相談したかったんでしょ。
 ご迷惑でなければご飯でも食べてきたら?」

とお母さんが助け舟を出してくれた。

「迷惑だなんて・・・
 喜んで」
と彼は笑顔で答えた。

お母さんは私の気持ちに気付いてるんだ。
この時、初めて知った。