お父さんも最近は残業せずに帰ってくる。

気にしてくれてるようだ。


なんせ、中学生の苺のことを

考えれば、この状況はよくない。


『たかが美容院のモデルをしただけで

 こんなアイドルの追っかけみたいなこと

 されるなんて』


私の考えは甘かったのかもしれない。

こんなことになるなんて

これっぽちも考えてなかった。


我が家のような一般家庭では

非日常な出来事になれてなくて

どう対処したらいいのか判断できずにいた。


そんな時に強い味方が登場した。


「こんばんわ、突然すみません」

と我が家に来てくれたのは

圭さんだった。


彼は我が家の状況を心配して

来てくれたんだ。


「変な輩が外に立ってたんですが・・

 いつもですか?」


私は返事に困った。

お母さんも困った様子だった。


『心配かけたくない・・』

たぶん、お母さんも同じ考えだったんじゃないかな?


困った顔をしてる私達を見て

圭さんは強い口調で言った。

「正直に話してください。

 じゃないと対処のしようがないんで・・」