アタシは本当の"ユウくん"を探し続けた

そこで見つけたの

"自分"を見てほしいって叫ぶ"ユウくん"を



「ねぇ、ユウくん。

好きです...、付き合ってください」



この人なら"アタシ自身"を見てくれるかもしれない

そう思った

違う、そう思い込もうとした


だけど、"ユウくん"の目に映るアタシは

全部仮の、みんなが創り上げた"河口 雛乃"だった


ダメだって、思った

もう辛いって思った


そして、"ユウくん"と別れた

"ユウくん"と別れる直前にしていた話は

自分でも最低だと思う


でも、これ以上自分の居場所を失う訳にはいかなかった

家に帰ったら、お父さんに襲われるし

"ユウくん"もアタシを見てくれなかった

アタシがどれだけ必死に"ユウくん"を見ても


それに、女の子の友達はなくす訳にはいかなかった

大抵友達はみんな

親と喧嘩してて親うざいから帰りたくないって言えば

泊めてくれるから