「じゃあ、夕飯の時にね」

「ああ」

「ばいばーい」

「また後で」

「なー」



ロビーで男子とは別れた

部屋は璃咲と同じで642号室だった



部屋に着くなり、璃咲はベッドにダイブ

私は荷物の整理を始めた




「ねーえ、みーおーちゃーん」

「どうしたの、璃咲」

「"ヒナノ"って誰」




璃咲の纏う空気が変わる

私はそんなことすら気付かないふりをして手を動かし続ける




「それを知って璃咲は何をしたいの」

「私が知ってる"ヒナノ"かどうか確かめたいの」

「璃咲の知ってる"ヒナノ"って?璃咲の妹?」



手を止めて、璃咲の方を振り返る

璃咲は窓辺に立って、カーテンを握っていた



「そうだよ。やっぱり、雛乃なんだね」

「会いたい?」

「文句は言いたい」

「文句?」



不思議に思って首を傾げる