東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「ま、待ってくれ…。

だから、誤解なんだよ…。

間違えたんだよ…」

男はフラフラと椅子から腰をあげると、苗さんの後を追った。

「な、何だったんだ…?」

昼ドラ真っ青の強烈過ぎる出来事に、私はどうすればいいのかわからなかった。

ふとテーブルのうえに視線を向けると、先ほど男が持ってきた指輪の入った小さな箱が置いてあることに気づいた。

持って行くのを忘れてしまったようだ。

まだ近くにいるかな?

いないようだったら店員に預かってもらおうと思いながら、私は箱を手に取るとその場を後にした。

ドトールを出て先ほどの男を探すと、
「あっ、いた」

呆然とした様子でベンチに座っている彼の姿を見つけたので、歩み寄った。