東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「君を呼び出したのは他でもない。

今日は君に伝えたいことがあったから、ここへ呼び出したんだ」

やけに芝居がかったような口調で男が言った。

キザかよ。

「すみません、何の話をしているんですか?」

ツッコミを入れるところはそこである。

「わからなくて戸惑うのは当然のことだ。

でも、僕はどうしても今すぐに君に伝えたいんだ」

「いや、だから何の話を…」

私の質問をさえぎるように、男はズボンのポケットから小さな箱を取り出した。

…んっ?

男はテーブルのうえに小さな箱を置くと、パカッとそれを開けた。

「…はい?」

箱の中に入っていたそれに、私は何も言うことができなかった。

「えっと、あの…?」

それ――指輪を指差した私に、
「僕と、結婚して欲しい」

男はまじめな顔で、まじめにプロポーズをした。