東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「おや?」

易者が驚いたと言うように声をあげた。

「えっ、何ですか?」

思わず聞き返した私に、
「あー、うむむ…」

易者はうなるように呟いた後、虫眼鏡から顔をあげた。

「近いうちに、あなたに運命の人が現れます」

そう言った易者に、
「う、運命の人ですか?」

私は訳がわからなくて聞き返した。

“運命の人”って、あの赤い糸のヤツだよね?

「その人は指輪を持って、あなたの元を訪ねてきます。

その人との出会いは、あなたのその後の人生を大きく揺るがす存在になることでしょう」

「は、はあ…」

何だかものすごい重要人物って言う感じだな。

ガシャン!

そう思っていたら、耳障りなブレーキの音と何かにぶつかる大きな音が聞こえた。

「おい、警察官がトラックにひかれたぞ!」

その瞬間、辺りは騒然となった。