東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

最後に家族みんなで食べたのっていつだったっけか…?

1人でのご飯はほぼ毎日なので、そんなことはすっかり忘れてしまった。

こうして温かいご飯を家族みんなで囲んで、今日あった小さな出来事をニコニコと笑って話しながら食べる――と言うのが私の理想だ。

「ごちそうさま」

いつものように食べ終えると、洗い物をするために食器をキッチンの方へと持って行った。

パパッと手早く洗い物を済ませると、リビングに戻ってテレビを見た。

もう少ししたらお風呂を沸かしに行こうかな。

そんなことを思いながら、私はバラエティ番組が映っている薄型テレビに視線を向けた。

今日も今日とで、特にこれと言って何も変わらない1日が終わる。

明日も明後日も変わらない1日が続くのだ。

この時の私はそんなことを思っていた。