東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

駅から歩いて5分のところにある実家に到着した。

「ただいまー」

「おう、お帰りー」

実家は『桜井うどん』と言う、うどん屋さんである。

中に入ると、時間帯のこともありお客さんがいた。

お父さんは調理場でうどんを作り、お母さんはお客さんの相手をしていた。

「ご飯は用意してあるから食べちゃいなさい。

先にお風呂に入って、先に寝ていいから」

私に声をかけてきたお母さんに、
「うん、わかった」

返事をすると、調理場を通り過ぎて家の中へと足を踏み入れた。

自室で着替えを済ませてリビングに顔を出すと、夕飯の用意がしてあった。

今日はカレーか。

大皿にご飯を入れると、カレーを注いだ。

「いただきます」

両手をあわせて呟くと、スプーンでカレーを口に運んだ。