東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「お待たせしましたー」

副社長の向かい側の椅子に腰を下ろした。

「あっ、クロワッサンですか」

皿のうえに乗っているクロワッサンを副社長は指差した。

「はい、先ほど会社の人からクロワッサンがオススメだとうかがいまして」

そう言った私に、
「ここのクロワッサンは本当にオススメです。

冷めないうちに早く食べてください」

副社長は勧めてきた。

「はい…あの、副社長はお昼ご飯は?」

クロワッサンに手をつけようとした私だったが、彼の前に置かれているのはアイスコーヒーだけだと言うことに気づいた。

「俺は先ほど済ませましたので…」

そう言ってストローでアイスコーヒーに口をつけた副社長に、
「そうですか…。

では、いただきます」

私は両手をあわせると、焼きたてのクロワッサンに手をつけた。