東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

もし副社長といるところを杉浦さんに見られたりしたら、面倒なことになりかねない。

「いけない、副社長!」

私は中で待っている彼の存在を思い出すと、中に足を踏み入れた。

店内に入ったとたん、焼きたてのパンの香ばしい匂いがした。

あー、早く食べたい…。

そう思いながら隣に併設されているカフェに視線を向けて副社長の姿を探すと、
「あ、こっちです!」

観葉植物のところから副社長が顔を出した。

「どうも、こんにちは」

すでに椅子に腰を下ろしている副社長に歩み寄ると、声をかけた。

「それで、お話と言うのは…」

私が話を切り出したら、
「先に何か食べるものを選んできてください。

お昼休みは短いですし、食べながらでいいから話を聞いてください」

副社長が言った。