東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「ここさ、カフェが併設されているうえにクロワッサンがとても美味しいんだ」

杉浦さんは得意気に笑うと、手に持っているパン屋の袋を見せてきた。

「へえ、そうなんですか」

私が返事をしたことを確認すると、
「じゃ、俺は戻るから」

そう言って杉浦さんは立ち去ろうとした。

「あの…カフェがあるなら、中で食べないんですか?」

そう言って店先を指差した私に、
「お…俺は、会社に戻ってゆっくりと食べるのが好きなんだよ」

杉浦さんが言い返した。

「あ、はい…」

何か慌ててたような気がするんだけど、気のせいか?

「それじゃ、遅れるんじゃないぞー」

杉浦さんはそう言うと、早足でその場から立ち去った。

「…何だありゃ」

まあ、とりあえず中で食べないと言うならばよかった…。