返事をした私の左手を副社長は手に取った。

薬指に、指輪が通される。

「よかった、ピッタリだ」

薬指に収まった指輪を見ながら、副社長は嬉しそうに呟いた。

「キレイ…」

指輪はどんな宝石よりも素敵で、窓から見えている夜景よりもキレイだった。

「必ず幸せにします」

副社長が言った。

「はい、よろしくお願いします」

返事をした後、副社長と一緒になって笑った。

彼との始まりはおかしなものだったけど、今ではとてもいい思い出だ。

そのおかげで、今はとても幸せだ。

ずいぶんと悩んで、時には落ち込んで泣いたこともあったけれど、全てはこの日を迎えるための準備だった。

彼と過ごすこの先の未来も幸せであふれていますように…。

薬指に収まっている指輪と副社長の幸せな顔を見ながら、私はそんなことを願った。

☆★END☆★