東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

そして迎えた金曜日。

「お先に失礼しまーす」

「はい、お疲れー」

いつものようにオフィスを後にすると、私は更衣室へと足を向かわせた。

「1回だけなんだからおしゃれをする必要なんてないんだけどな…」

制服から白地に小花柄がプリントされているノースリーブのワンピースに着替えた私は呟いた。

身長は158センチで、体型はどちらかと言うと痩せ型だ。

スタイルに関してはいいと言われたこともなければ、悪いと言われたことがない。

ちなみにこのワンピースは、ナオがせっかくだからおしゃれをしろと言うことでその日にユニクロに行って半ば強引に買わされた。

生足を見せるのは嫌だとはっきりと言ったため、足元はトレンカと黒のパンプスにした。

仕事中は1つにして束ねている髪をほどくと、ハーフアップにして黒いリボンのバレッタで留めた。

…我ながら、これからデートに行きますみたいなコーデだな。

「1回だけ、1回だけ…」

私は自分にそう言い聞かせると、更衣室を後にした。