“社長”が堅苦しいって、何かどこかで聞いたような文句だな…。

そんなことを思っていたら、
「僕のことは気軽に“パパ”って呼んでいいから」

社長が笑いながらそんなことを言った。

「えっ…!?」

“パパ”って…。

その呼び方に、私はポカーンと口を開けてマヌケな顔をさらすことになってしまった。

「あの、それはどう言った意味で…?」

いつの間にか私の隣にきていた副社長が、私の気持ちの代弁をするように社長に聞いた。

「遅かれ早かれ、つづりちゃんは結婚して、いずれは僕の“娘”になる訳でしょ?」

そう言った社長に、
「は、はあ…」

副社長はついて行けないと言う様子だ。

あまりにも行き過ぎてしまっている話に、私も何も返すことができなかった。