東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

村坂さんは微笑んでいた。

「よかったよ、君が断ることを選んでくれて」

そう言った村坂さんに、
「えっ…?」

私は訳がわからなかった。

断ったのに、何で“よかった”なのだろう?

そう思った私の頭の中を読んだのか、
「実は、苗とヨリを戻したんだ」
と、村坂さんが言った。

「えっ、そうなんですか?」

思わず聞き返した私に、
「連絡がつかなかったと言うよりも、連絡がつけなかった状態にあったらしいんだ」

村坂さんが答えた。

「連絡がつけなかったって、どう言う意味なんですか?」

何だかややこしい言い方だ。

「ケータイを水没させた…要は、壊してしまったらしいんだ。

ズボンのポケットの中にケータイを入れていたことを忘れて洗濯をしてしまったらしくて、それで」

そう説明した村坂さんに、
「ああ、なるほど…」

私は返事をした。