東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「それから、何ですか?」

続きを促した俺に、
「梅里専務曰く、娘さんに何か悩みがあった…と言うことです」

手帳を見ながら木田さんが言った。

「悩み、ですか?」

そう聞いた俺に、
「ええ、今月に入ってからため息をつく回数が多くなったとか夜遅くに家に帰ってくることが多くなったとか。

普段はあまり夜遊びをしないまじめな方なのだそうですけど、今月に入ってから週に1、2回ほど夜の10時過ぎに家に帰ることが多くなったそうです」

木田さんが答えた。

「まさか、それが噂に繋がったってことじゃないだろうね?」

恐る恐ると言うように聞いた父に、
「その可能性はあると思います」

木田さんは返事をすると、手帳を閉じた。

「しかも悲しいことに、梅里専務はかなり乗り気です。

結婚の件を早く進めろと躍起になっています」

「マジか…」

「そんな…」

木田さんの報告に、父と俺は同時に呟いた。