東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

「えっ、パパ?」

俺は彼女と梅里さんの顔を交互に見つめた。

迎えを頼んだって言う父って、梅里さんのことなの?

迎えを頼まれたって言う娘って、彼女のことなの?

そう思っていたら、
「ちよみ、大丈夫か?」

梅里さんは彼女――ちよみさんに声をかけると、歩み寄った。

「うん、ねんざだって。

心配かけてごめんね、パパ」

父親の問いに、ちよみさんは笑顔で答えた。

「お…」

親子だったのね…。

言われてみたら、目元の辺りとマイペースそうな雰囲気がよく似ていると思った。

梅里さんは俺に向き直ると、
「副社長、ちよみを病院まで送ってくれてどうもありがとうございました」

そう言って頭を下げてきた。

「あ、いえ…」

まさか病院まで送った彼女が、専務の娘だとは思いもしなかった。