東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

彼女は連絡を済ませると、医師からの診察を受けた。

その間に待合室で診察が終わるのを待っていたら、
「あれ?」

その声に視線を向けると、俺は驚いた。

「えっ、梅里専務?」

会社の専務である梅里さんが待合室に現れた。

「副社長じゃないですか」

梅里さんはそう言うと、俺の隣に腰を下ろした。

「あの、梅里専務も診察にきたんですか?」

俺がそう質問をすると、
「いえ、娘に足をくじいて病院にいるから迎えにきてくれと頼まれたんです」

梅里さんはそう答えた。

「えっ、娘?」

彼に娘がいることはもちろん知っていた。

年齢は俺の記憶違いじゃなければ、20代の後半だと言っていた。

だけど、話を聞いているだけで顔は見ていない。

それよりも、娘に迎えを頼まれたって…。

もしかしてと思っていたら、
「パパ」

診察が終わったらしく、待合室に彼女が現れた。