東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~

その結果、間違いだった。

村坂はつづりさんの彼氏ではなく、最近仲良くなった友達だったと言う結果に俺はホッと胸をなで下ろした。

週刊誌の記事の写真は彼と一緒に落語を見に行った時に撮られたものだと言うことも判明した。

彼女の産業スパイ疑惑も解決してめでたしめでたし…のはずなのだが、一難去ってまた一難とはよく言ったものである。


全てを解決して安心していた週末のことだった。

その日の俺は父に頼まれた買い物をするためにデパートを訪ねていた。

「食パンなんてどこも一緒だと思うんだけどなあ…」

『ハクチョウ屋』と印刷されている手元のビニール袋を見ながら、俺は呟いた。

父は朝ご飯はご飯よりもパンの人である。

パンを焼いている間の時間をいろいろな準備に当てることができるから便利だと言う理由で、朝ご飯は必ずパンを食べていた。

ご飯を食べる日もあると言えばあるのだが、基本はパンで済ませている。